いつかの日記。

 何故に人間は同じ過ちを繰り返してしまうのでしょう。わかりきった落とし穴に自ら落ちてしまうような愚かさは、すべての人が内包しているものなのでしょうか? ……などと書いていたら、'03 年の 3 月に似たような文章が。映画 「 キッズリターン 」 のレビューでした。

 「 ご無沙汰していた間、見た DVD と言えば、北野武の 『 キッズリターン 』 くらい。どの人生にも必ずある、あからさまに大きな口を開けるアリクイの巣のような世間の落とし穴に、何故、人は落ちていくのでしょうか? わかりきった失敗と、わかりきった堕落。それなのに人は、あたかも進んで飛び込むように、落とし穴の中へ落ちていきます。子供の頃、まさか自分が借金をしたり、違法な行為をしたり、他人を騙したり、ぼろ儲けを企んだり、友人を出し抜いたりするとは思ってもみませんでした。なぜ人は穢れていくのでしょうね?……と、そんな事を思わせる映画です。推測ですが、お金を出したスポンサーが強くて、それを意識したのか、他の作品と較べると、暴力シーンは控えめ。全編薄ぼんやりと進んでいくような印象が残りました。北野作品の中で 『 ソナチネ 』 を愛する者としては、肩透かしを受けた気分。それでも、約 100 分、画面から目が話せなかったのは、誰もが落ちていく落とし穴が、あまりにも単純に、あまりにも簡潔に描かれているからでしょう。この作品を見ていたら、『青い春』の黒塗りのセダンが野球部員を吸い込み、ゆっくりとドアが閉まっていくシーンを思い出しました。車のドアが閉まるシーンとしては、邦画随一の名シーンではないでしょうか。あらら、余談が過ぎましたね。 」

 今年の 5/2 分。

 「 30 歳を過ぎてからというもの、時間があっという間に過ぎていきます。この日記をご覧になっている皆さんも、ほぼ同世代のはず。それぞれにいろいろな事情や問題を抱えているのだとは思いますが、日々を丁寧に生きてくださいませ。 」

 丁寧に生きるという事は、簡単そうで、実はとても難しい事。それでも、すべての知己には丁寧な生き方をしてもらいたいと強く願って止みません。