まだ午後のおやつの時間ですが、安いチョコレートをつまみながら、奥さんに内緒で買った琥珀霧島をちびりちびりと呑っています。テレビでは十両の取組がはっきょいはっきょい。脳味噌ではスカパラ 「 君と僕 」 が流れています。もうね、口笛が切なくて、何が何だか。
数週間前の週末、珍しくお寝坊をして、朝陽の下を歩いてきました。
普段は勝鬨橋から隅田川沿いを上って佃大橋で引き返すのですが、お天気も良く湊の方まで歩いてきました。我が家の花梨姫もご機嫌さんで、足取り軽く、たったかたーです。
飾り毛をふさんふさんと揺らしながら、ずんずんと歩きます。
姫、お美しい。
ずん! たるたるお口は、熟女の魅力です。
正面から見ても、もちろん可愛い。
築地と月島を繋ぐ勝鬨橋を背景にパチリ。我が花梨姫も美しさでは負けていません。
お家に戻れば、いつもの通り、ぐっすりお昼寝です。真っ黒お鼻で、すぴーすぴー。
......そんなすぴーすぴーという鼻息を聞きながら、転寝していたある日の事、電話に出てみれば、かかりつけの動物病院からでした。尿検査の結果が芳しくなく再検査が必要との事。これは大変!......と、血液検査をしてエコーを撮ってみると、腎臓の片方が機能しておらず、加えて肝臓にも大きな影が映っていて、血液検査の数値から診て、おそらく腫瘍だろうという診断でした。
この時、花梨は 14 歳と 5 カ月。年齢的に全身麻酔をするような検査や治療をするタイミングではないと考え、このままのんびりと毎日を過ごしていく事に......。もちろん、悩みましたよ。いろいろな選択肢があり、飼い主さんの数だけ考え方があると思います。保険にも入っているので、積極的な治療も可能ではあったのですが、年齢など諸々を考慮して我が家の選択肢は 「 のんびり 」 でした。
その後の経過は詳しく書きません。診断からしばらくして少しずつ食欲が落ちて痩せていき、約一カ月後、03/22 の明け方、息を引き取りました。
遺体の写真を撮る趣味はないので画像はありませんが、真ん丸な黒目を優しく見開いた穏やかな表情で、今にでも起き上がりそうな寝姿でした。刻一刻と冷たくなっていくのが不思議に思えたくらい。きっと綺麗なお姫のまま、虹の橋を渡っていったのだと思います。
あれよ、月の地、虹の橋。
花梨の誕生日は 09/23 。我が家に迎えて、ちょうど 14 年と半年になります。思い返せば、あっという間、あれよあれよの 14 年半。月の地から虹の橋を渡っていった花梨と過ごした日々を、この先、忘れる事はないでしょう。お姫、今までありがとうね。いつまでも大好きよ。おしまい。