いつかの日記。

 久しぶりに登場となる、過去日記企画。今回登場するのは、'05 年の 4 月の日記です。相変わらず酔っ払って酷い夢を見たみたい。「 お陰さまでフラットに……。 」 などと書いているので、きっと前日も、その前の日も、やられていたのでしょうね。

 「 お陰さまですっかりフラットに戻りました。今夜、以前焼き肉をごちそうになった編集さんに地元月島のもんじゃをお返しするので、昨夜 『 このままではいかん 』 と少し呑んだのが良かったみたい。今夜だか以前だか昨夜だか、良くわからない文章ですが、まあ良しとします。 」

 ……駄目ですね、すっかりやられています。

 「 そうそう、昼寝をしていたら夢を見ました。編集部に属していた頃の話で、渋谷の雀荘に呼び出され、そこで高レートの三麻を打つというものでした。三麻というのは 3 人で打つ麻雀の事で、普通の麻雀のように点数を付けず、役を 1 つ幾らと決めて即金でやり取りするという鉄火な博打。一々財布からお金を取り出すのが面倒なので、プラスチックのザルに現金を入れておき、そこから出し入れする、それはそれはお行儀の良くない遊びなのです。夢では役一翻 1,000 円のドラ 4 枚めくり、赤 2 つ数えという自身で打った事すらない高レート。どれくらい高レートかと言えば、早い場合、数分で数万円が動いてしまう、堅気の遊びの範疇を超えた物です。 」

 「 博打を打っていると指感という不思議な感覚を覚える時があります。調子がそこそこ良いと指が 『 ああ、この牌を切っちゃ駄目! 』 などと教えてくれるのですが、この指の声が聞こえた時に肉体が反応できるかは、また別問題。夢の中では、3 筒という牌を捨てようとした、ちょうどその時でした。『 あ、やべ! 』 と脳をよぎったのも束の間、3 筒から指を離してしまったのです。 」

 「 3 筒を河 ( 牌を捨てる場所 ) に捨てた瞬間、対面から 『 ロン ( 上がり ) 』 の声。倒された相手の手には、ドラや赤ドラがびっしりと詰まっていました。 」

 「 この瞬間から場面はスローモーションとなり、牌を離してしまった腕を身体に戻そうとする動作の途中で、どこからか毛嫌いしている森山直太郎 『 愛し君へ 』。何故だか半開きになった口を閉じようにも閉じられません。しかも、嫌いなはずの森山の 『 ああ、愛し君へええええ 』 というサビの部分で、右目だけから涙が。片目で泣きながら 『 幾らだよ、やだよ、やだ。 』 と思った瞬間、汗をびっしょりかいて目覚めましたとさ。おしまい。 」

 「 さて、出かけてきます。今夜のお酒はどんな味になるのでしょう。 」

 ……どんな酒でも勝手に呑んでこいよ。