血は信じるもの。

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 おそらく幾つも「曾」が付くお爺さんであろう、実家のすぐそば、佃島の住吉神社にある [ 五世川柳・水谷緑亭 ] の句碑。「和(やわ)らかで かたく持ちたし 人ごころ」--、五世川柳としての活動のほか、江戸後期、荒んでいた佃島の人々の心を正す事に尽力した人物らしいのですが、リンク先の Wikipedia の記事にあるように、本業の川柳においては規範を強いてしまい、その最大の魅力である自由な一面を薄れさせてしまったのだとか。

 この五世川柳と血が繋がっているかどうか、調べれば簡単に確認できる事なのですが、江戸期からの狭い埋立地に残る、さほど多くない姓ですので、敢えて調べもせず、まず間違いないであろうと一人合点してしまっています。血とは頼るものではなく、信じるもの。仮に赤の他人だとしても、同じ土地に育ち、同じ生業で糊口を啜る者同士の縁により、日本語への思いは、きっと受け継いでいる事でしょう。現在は、島から橋を渡った築地で暮らしていますが、この川向こうの句碑を励みに、これからも文章に思いを乗せていこうと思います。

 写真はかなり前のもの。えええと、とりあえず髭くらい剃れ、と。