手術とその後のお話。

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 ご無沙汰しております。東京は、ここ数日、涼しかったのですが、この週末を待っていたかのように、暑さが戻ってきました。早く過ごしやすい気候になると良いですね。

 さて、花梨の手術の事を書かなくてはなりませんね。書いていて、疲れてしまいました。いつもに増して、乱筆乱文。書きっ放しですが、お許しください。

 花梨が執拗に股間を舐めるので、井元先生に相談したのが 8/26 の金曜日。すぐさまエコー検査となり、その結果、「 子宮蓄膿症で、切除の必要あり。 」 と告げられた時は、ショックでしたよ。年末辺りに、お見合いをさせようと決めたばかりでしたので、夫婦そろって時間が止まったような衝撃を受けました。もちろん、花梨の健康が一番大切なのは言うまでもありません。先生の指示に従い、早速、8/29 の月曜日に手術する事を決めたのです。

 金曜日から手術をする月曜日までの間、土日の両日は、砂を噛むような時間を過ごしました。花梨が自分の病気を理解しているはずもなく、何もわからないまま子宮を切除されるのかと思うと、やり切れなくて……。「 病気になったのはパパとママのせい。ごめんね。 」 と声をかけながら、その頭をなでてやる事しかできませんでした。

 手術当日は、飼い主が怯えては駄目だと気持ちを強く持ち、病院へと向かいました。

 手術前、花梨はいつもとは違う様子に怯えるばかりで、何度も何度も 「 大丈夫だよ。 」 と、声をかけたのですが、その瞳から不安の色が消える事はありませんでした。手術前のこの時が一番、辛い時間でしたね。右前脚から麻酔薬を注入する段になると、今まで痛みで声を出した事がない花梨が 「 ひゃんひゃん! 」 と悲鳴をあげるのです。麻酔で薄れゆく意識の中で、こちらを見つめる花梨の不安な表情は、生涯、忘れる事はないでしょう。

 今回、井元先生のご厚意で、手術室に入れてもらい、そのすべてを見学させてもらいました。

 花梨が意識を失い、ヘソ天で手術台に乗せられても、見ている側の緊張が緩む事はありませんでした。しかし、それもメスが入るまで。花梨のお腹が開いた瞬間、治してくれようとメスを振るう先生や、補助する助手さん、見学しているこちらにまで気を使ってくれる先生のお母さんの姿を見、何より花梨自身も頑張って手術に耐えているのだという事に気付くと、緊張が吹き飛び、手術のすべてを見守らなければという気持ちになったのです。

 手術は開腹し子宮を取り出すというもの。所謂、避妊手術と同じ内容で、「 僕は毎日やっている手術だから、すぐ済みますよ。 」 という先生の言葉通り、開腹、摘出、縫合とスムーズに進み、無事に終わりました。摘出された患部は手術前に先生から説明を受けた通りの状態 ( 詳しくは書きません。ごめんなさい。 ) で、今回の切除で完治し、すぐに元気を取り戻すだろうとの事。先生の的確な診断と見事な手術の手際に、感謝するばかりです。

 その後、ゲージに移された花梨は、徐々に麻酔から覚めて、数十分で立ち上がり、ゲージの壁にエリザベスカラーをゴンゴンと当てながらフラフラと歩き始めました。1 時間くらい経った辺りから、こちらの呼びかけに反応し始めたのですが、意識は朦朧。まったく目の焦点も合わず、終始、口元からは涎を垂らした状態でした。

 そうそう、手術の摘出と縫合による痛みは、こちらが想像している以上に感じていないようでした。痛みよりも、いつもと違った環境への恐怖が先に立っているかのようでしたね。わんこの痛感は、一体どうなっているのでしょう。不思議です。

 通常、手術後、経過を診るため、病院に 1 泊するらしいのですが、今まで一瞬たりとも一人にされた事がない花梨が病院で一晩を過ごせない事をわかっていただき、付きっ切りで看病する事を条件に当日退院を許可していただきました。

 手術から数時間後、先生に、縫合部分の安定と麻酔が切れた事を確認してもらって、徒歩で 15 分ほどの距離にある我が家へと、抱っこで帰りました。

 この時の抱っこは、今までにないほど緊張しました。右手で花梨の後脚を抱え、できる限り、傷に負担をかけないように左手で手術明けの体全体を固定して、なるべく振動を与えないように早足で歩き続けたので、家に着いた頃には足はガクガク、腰もフラフラ。しかし、家のドアを開けた瞬間に感じた、やっと花梨を連れ帰れたという安堵は、この文章を書いている今でも手に取るように思い出せます。

 手術当日の夜は、本当に大変でした。手術の当日中は食事もお水も摂取させてはいけないと言われていたのですが、花梨が喉の渇きを訴え始めたのです。数十分、横になったかと思うと起き出して、給水機の場所に行っては、エリザベスカラーでガンガンと音を立ててお水を要求する事を繰り返しました。一晩中、フラフラと歩く花梨の後を追っては、「 ごめんね、明日までお水は飲めないんだ。 」 と言葉をかけてあげる事しかできず、見ているこちらが辛くて辛くて。

 エリザベスカラーも慣れるまで、大変でした。最初、歩行に苦労する花梨を心配して手を貸してしまっていたのですが、これが失敗。早くわんこが自分で慣れるために、また手伝われる事でプライドも傷付けてしまうので、放っておかなければならないのですね。

 そうそう、普段、我が家はマットレスに布団を敷いて 3 人川の字で寝ているのですが、慣れないエリザベスカラーを着けた花梨が、マットレスの段差でつまづかないようにと、抜糸してカラーが取れるまでの 1 週間、床で眠る事にしたのです。これも腰にきました。

 これは、手術翌日の画像。唯一、エリザベスカラーを着用した姿を撮影したものです。表情がぼやけているの、わかりますか? まだ、少しだけ目の焦点もずれています。手術当日はもっと表情がぼやけて、目の焦点もあちこちに飛んでいました。日一日、食欲が戻り、動きも軽快になるに連れ、表情がしっかりとし、目の焦点も合うようになってきたのです。

 抜糸は、手術からちょうど 1 週間後の月曜日でした。抜糸までの間、過度の運動は控えるように言われていたので、お散歩中もダッシュをせずに過ごしていたのですが、手術から数日経った頃から走りたがる素振りを見せていました。わんこの回復力には驚かされます。

 抜糸後、お座りをしてパチリ。この頃には、すっかり食いしん坊に戻っていました。

 これは今朝のお散歩での 1 ショット。もうすっかり元気になりました。以前と同じように、いつもの散歩コース・隅田川テラスを走り回っています。

 信号待ちの図。手術直後の画像と見比べて、表情がしっかりしているのがわかりますか?

 何はともあれ、ご覧の通り、花梨はすっかり元気になりました。井元先生とスタッフの皆さん、ご心配いただいた皆さんのお陰です。重ね重ね、本当にありがとうございました。

 やはり、わんこも人間も健康が一番大切ですね。今回の一件で、身に染みました。

 最後になりますが、皆さん、皆さんのご家族、皆さんのわんこたちが、いつまでもお元気でありますように。微力ながら祈らせていただいて、おしまい。

 おまけ。

 コスモスと奥さんと花梨。この先、何年もこの構図で写真が撮れますように。