いつかの日記。

 何時間か前に 「 次の更新は週明けかなあ。 」 などと書きながら、舌の根も乾かない内に更新します。気まぐれと裏切りこそ、我が人生。そこの常連さん、油断するなよ。

 チャングムに呪いをかけられて、昔書いた日記を読み直していたところ、思い付いたのが過去の日記の再編集。若干の手直しをしながら、以前書いた文章を並べて恥をかいてみよう!……そんな勢いだけで、新しいカテゴリーを作ってみました。その第 1 弾となるのは、02 年 09 月辺りの日記。この頃は四六時中、輸入物の眞露を爽健美茶で割って呑んでいて、泥酔してはふらふらと出歩き、100m 毎に込み上げる胃液を吐き出していましたねえ。お馬鹿。

 「 買った文庫は筒井康隆の 『 文学部唯野教授 』 。セックスとお金にしか興味のなかった学生時代に読んだ氏の 『 俗物図鑑 』 を思い出すような文体で、なかなか愉快な小説でした。『 テキスト 』 を 『 テクスト 』 と言う人とは腹を割って話せませんが、大学の研究室という場所は淫靡な妄想に直結するから不思議。遊んでいただいた、丙午の先輩、いかがお過ごしですか? 今でもたまに 『 貰ってくれる人が見つかりました。 』 と書かれた結婚報告の絵葉書を思い出します。 」

 と、筒井の 「 ~唯野教授 」 を買って読んだらしく、その数日後、やらかしたレビューが以下。

 「 ええと。あのお。今回で二回目のオレ、だり野による 『 筒井康隆論 』 なんだけど、前回の 『 ホリプロ所属タレントとしての一面 』 に続いて、今日はね、 『 「 文学部唯野教授 」 の存在価値 」 やります。そうそうそ。あの売れた 『 ~唯野教授 』。でね、この 『 ~唯野教授 』 。主人公の唯野教授は大学の文学部の教授でさ。授業で 『 批評 』 をやるの。そうそうそ。『 印象批評 』 とかの 『 批評 』 ね。で。この授業がさ。おもしろくて学生たちに受けるんだ。一回の講義がページ数で言ったら数ページで、『 ハイデカー 』 とか 『 ポスト構造主義 』 とか、小難しいテーマを 『 ハイデッキター 』 て具合に解説しちゃうの。でもね、この唯野教授。饒舌だけが取り得のぶ男でさ。授業の最初に 『 イエイイエイ 』 とか言っちゃうおかしな人なの。おまけに学生に手を出すわ、親友の彼女と寝ちゃうわの駄目人間。そんな人がね、おもしろおかしく 『 批評 』 をバッサバッサと斬っちゃうから、よっぽど筒井って作家は 『 批評 』 が憎いんだろうね。これはね、『 一億総評論家 』 なんて言葉が流行った頃に書かれた 『 俗物図鑑 』 と構造が似ています。そうそうそ。中国の三大奇書 『 水滸伝 』 のパロディのアレね。『 評論家 』 へのアンチテーゼが展開されるのが 『 俗物図鑑 』 なのに対して、『 批評家 』 へのアンチテーゼが 『 文学部唯野教授 』 なの。でね。結局のところ、この 『 文学部唯野教授 』 は 『 印象批評 』 で言うところの 『 おもしろい 』 の。『 いかにもマスコミ的 』 に言えば 『 稀に見る傑作 』 。『 フッサール 』 的に言えば……もういいか。では、今日はこれでおしまい。次は 『 「 ミステリー 」 と銘打った言葉遊び 「 ロートレック荘殺人事件 」 』 をやります。イエイイエイ。 」

 ……イエイイエイ。